バルト海でのダイビング
バルト海でのダイビングは独特で、他のダイビングスポットとは違ったものを提供してくれる。水は比較的冷たく、バルト海北部のさまざまな川から淡水が流入するため塩分濃度は低い。塩分濃度が低いため、船虫であるテレド・ナヴァリスが生息せず、木造の船体を何世紀も長持ちさせることができる。
難破船に関して言えば、バルト海に匹敵する場所は世界中どこにもない。深度下はひんやりとして暗いかもしれないが、バルト海には世界有数のレックダイビング(沈船ダイビング)がある。スウェーデンだけでも海岸沿いに約17,000隻の沈船があり、バルト海全体で10万隻の沈船があると考えられている。
バルト海でのダイビングは、沈船ダイバーにとって忘れられない体験となる。海底には、ヴァイキングの船や15世紀の軍艦から、第一次世界大戦や第二次世界大戦の沈没船、潜水艦、現代の船舶まで、あらゆるものが散らばっている。
バルト海の沈船は塩分濃度が低く、シップワームが生息していないため、熱帯のダイビングスポットに比べて海洋生物がほとんど繁殖していない。この地域の沈船の多くは潜水可能な深度下にあり、豊かな海洋史への興味深い洞察を与えてくれる。